September 01, 2009
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ウェーブフロント-ガイドLASIKは回折型IOL挿入眼の視力を改善させる


中村邦彦

精確なアブレーションは角膜収差を最小にし、その結果、コントラスト感度はそれ以上低下しないことが報告された。

ウェーブフロント‐ガイドLASIKは回折型多焦点IOL挿入眼の近方および遠方裸眼視力を高め、コントラスト感度を保持することが報告された。

「ウェーブフロント-ガイドLASIKはコントラスト感度の低下を抑える事が出来るため、多焦点IOLのタッチアップに推奨できる方法であると考えます。」と中村邦彦医師(MD)はOcular Surgery Newsとのインタビューで語った。

「コンベンショナルLASIKではなくウェーブフロント-ガイドLASIKは、コントラスト感度を保持することができます。」と彼は語った。「ウェーブフロント・テクノロジーは屈折矯正角膜手術後に高次収差が増加を最小にします。この結果、エンハンスメント後にコントラスト感度が保持されます。」

中村医師は、米国サンフランシスコで開催された米国白内障・屈折矯正手術学会において研究結果を報告した。

ウェーブフロント-ガイドLASIKエンハンスメント

この前向き研究は、テクニス多焦点IOL(アボット メディカル オプティクス、AMO社)挿入後の屈折異常を矯正するためにウェーブフロント-ガイドLASIK施行した患者8例10眼(平均年齢56.6歳)を対象とした。

LASIKはIOL挿入後3ヵ月以降に施行された。8眼ではAmadeusマイクロケラトーム(AMO社)を用いてLASIKフラップを作製し、2眼ではIntraLaseフェムトセカンドレーザー(AMO社)を用いてLASIKフラップを作製した。VISX Star S4エキシマレーザー(AMO社)を用いてアブレーションを行った。

平均屈折矯正は、球面0.45 ± 0.81 D、円柱1.17 ± 0.82 Dであった。平均アブレーション深度は 22.4 ± 5.4 µmであった。

フラップ作製法は視力成績に影響しなかった。しかし、フェムトセカンドによるフラップ作製はウェーブフロント-ガイド アブレーションよりも若干有利であることがわかった。

「視力成績に関する限り、フェムトセカンドによるフラップ作製とマイクロケラトームによるフラップ作製との間で差はありません。」と彼は語った。「しかし、フェムトセカンドはより薄く、安全な十分な直径の角膜フラップを作製することができます。ウェーブフロント-ガイドLASIKはより多くの量の組織のアブレーションとより広い角膜フラップを必要とします。この点でフェムトセカンドによるフラップ作製は有利です。」

視力とコントラスト感度

LASIK手術前後に十分な眼検査が行われた。主要な検査は、等価球面度数、遠方および近方視力、ならびにコントラスト感度であった。

結果は以下の通りであった。LASIK前の等価球面度数は0.7 D、LASIK後は0.23 Dであった。LASIK前の円柱屈折値は–1.2 D、LASIK後は–0.58 Dであった。これらは統計学的に有意に差があった(P < .01)。– by Matt Hasson

References:

  • Jendritza BB, Knorz MC, Morton S. Wavefront-guided excimer laser vision correction after multifocal IOL implantation. J Refact Surg. 2008;24(3):274-279.
  • Oshika C, Tokunaga T, Samejima T, Miyata K, Kawana K, Kaji Y. Influence of pupil diameter on the relation between ocular higher-order aberrations and contrast sensitivity after laser in situ keratomileusis. Invest Ophthalmol Vis Sci. 2006;47(4):1334-1338.

  • 中村邦彦医師(MD)の連絡先:東京歯科大学水道橋病院眼科、〒101-0061 東京都千代田区三崎町2-9-18、+81-3-3262-3421、fax: +81-3-5275-1856、e-mail: up4k-nkmr@asahi-net.or.jp.
  • 中村医師は、本論文で論じられた製品について直接的な経済的利害関係はなく、言及された企業の有給コンサルタントではない。