Issue: May 2011
May 01, 2011
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術前の光凝固、未熟児のAP-ROPに対する硝子体手術後の合併症率を抑制
Issue: May 2011
研究報告から、aggressive posterior retinopathy of prematurity(AP-ROP)に対する早期の硝子体手術では、術前に光凝固を実施することが新生血管・線維性増殖の再発を抑制するための重要な因子と示唆された。
このレトロスペクティブ試験は、東京の国立成育医療研究センター眼科において、2005年3月から2008年4月までに記録された症例に対し、医療記録を基に実施された。
解析対象となった43眼のうち、8眼で硝子体手術から術後2~8週間で新生血管・線維性増殖の再発が認められた。一般に、再発の特徴として後極部網膜での血管増殖性変化が多いと研究者らは指摘しており、視神経乳頭と線維性血管性組織の間で線維束が生じ、不規則な牽引性網膜剥離を起すことが多い。
本研究によると、男児の方が網膜剥離の頻度が高く、剥離眼の方がstage 4B疾患で線維性血管性組織の硝子体基底部への癒着が多い。しかし、いずれの要因も統計学的有意差を示すに至らなかった。多変量解析から、血管のある網膜と無血管の網膜の両方への光凝固は再発予防効果を示唆していた。術前光凝固は、再発の無かった眼では74.3%、再発眼では12.5%に実施されていた。
Reference:
- Am J Ophthalmol. 2010;150(1):10-15.e1.