27ゲージ硝子体カッターを用いた経結膜小切開硝子体手術は安全、有効である
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最近の一つの研究論文から、「経結膜無縫合小切開硝子体手術のために開発された27ゲージシステムが安全かつ有効である」ことが複数例の手術結果によって証明された。
“27ゲージ硝子体手術で最も注目すべき手術結果の一つは、術後の結膜下への気泡の迷入、結膜浮腫、低眼圧などの創口の自己閉鎖に関わる合併症が全く生じなかったことである。このことから、27ゲージ強膜創の高い自己閉鎖性が示唆される。”と著者らは述べている。
27ゲージの手術器具には、インフュージョンライン、高速硝子体カッター、眼内照明ファイバー、鑷子およびその他の様々な硝子体手術器具が含まれている。硝子体カッターのシャフト剛性を増強するために、シャフトの長さを25 mmに短縮するように工夫されていた。
27ゲージカッターの切除効率は、生理食塩水および豚眼の硝子体サンプルを用いた吸引実験の結果、一般的に市販されている25ゲージカッターにかなり近いものであった。
レトロスペクティブに行った臨床研究では、患者31例31眼
(平均年齢62.9歳、平均眼軸長24.7 mm)に対して、網膜前膜、特発性黄斑円孔、糖尿病網膜症に伴う硝子体出血、眼内リンパ腫が疑われる硝子体混濁、限局性糖尿病牽引性網膜剥離、黄斑牽引症候群、および網膜中心静脈閉塞に続発した黄斑浮腫を適応疾患として27ゲージ硝子体手術を行った。
すべての症例に対し27ゲージの器具だけを用いて手術を施行した。平均手術時間は34.3分、平均術後観察期間は6.9ヵ月であった。
手術結果として、すべての症例で27ゲージ強膜切開創は自己閉鎖し、術後早期より低眼圧を生じた症例はなかった。すべての術眼において解剖学的成功が達成され、術後の平均眼圧は術前に比較して有意な変化はなく、平均logMAR視力も術前の0.17から最終観察時の0.62まで有意に改善した。このうち、20眼(65%)は視力が3段階以上改善した。
術後経過中に硝子体出血が2眼に生じたが、手術的介入を要することなく自然に消退した。他の術後合併症は全く生じることなく、極めて安全な術式であると著者らは報告した。 – by Matt Hasson
Reference:
- Oshima Y, Wakabayashi T, Sato T, Ohji M, Tano Y. A 27-gauge instrument system for transconjunctival sutureless microincision vitrectomy surgery. Ophthalmol. 2010;117(1):93-102.